プレミアムコンパクトな輸入車が売れている!
空前の輸入車人気です。
「フォルクスワーゲンのディーラーに、お客様が軽自動車で乗りつける。
こんな光景は今まで考えられなかった。」
これは、国内最大の輸入車ディーラー、ヤナセの社長が述べた言葉です。
2014年には過去最高になるだろうといわれている輸入車シェア。
なぜ今人気があるのでしょうか。
燃費がよくなった
環境負荷が少ないとされるエコカーは主に、ハイブリッドや電気自動車などが知られています。
そこに、あらたにクリーンディーゼル車が登場します。
これに力を注いでいたのはフォルクスワーゲン、メルセデス、BMWなどの
欧州のメーカーです。
昨年6月に発表された、VWゴルフの燃費は30Km/Lを超えるということで
大変話題になりました。
燃費がいいから輸入車を選ぶ時代になったとも言われています。
小型化と低価格
燃費以外の要因として、輸入車が好調なのは小型&低価格な車種が豊富になっているということでしょう。
特に、「プレミアムコンパクト」。
これは、主にドイツの高級車メーカーが力を注いできた分野です。
例えば、メルセデスベンツのAクラス。
よりスポーツカーのテイストを取り入れ、外観もカジュアルにしました。
価格もなんとか手の届きやすい284万円からにしたところ
国内での売り上げは過去最高のものになりました。
200万円台でベンツが買える!
この驚きと喜びが市場に広まり、結果、新規の顧客をたくさん取り込めたのです。
これまで40代以上と言われた主な顧客層が、30代にも広がりました。
また子育てを終えた世代がミニバンから小型車へ回帰する際
輸入の小型車を選択するというケースも増えました。
ヨーロッパでも環境規制
エコカーの需要は日本国内だけではありません。EUは、2021年までに、新車の平均燃費を約24Km/Lにすることを義務付けました。
今まで市場をけん引してきた高級車は16Km/Lなので
小型化、低燃費化というのは欧州のメーカーにとっても使命なのです。
これを達成するには、新車を小型化することで
従来の大型車と市場をシェアしていくことが急務となっています。
エコカーへの取り組みが世界共通のものなら
それならば輸入車のエコカーに乗ってみたいという需要も高まります。
ファミリータイプのミニが脚光をあびる
ワゴンタイプの輸入車、ミニクラブマン、ゴルフプラスなどはファミリーカーとして最近とても人気があります。
そもそもファミリーカーは、たくさん荷物を積んで
家族みんなでお出かけするもので
かっこよさ、ファッション性などは求めるものではないといった感が
ここ数年の日本国内にはありました。
ただ今のお父さん世代は、独身時代、ローンを組んでまでも
自分のこだわりの車を持っていた人が多いのです。
社会人になると多くの人が、洋服を選ぶような感覚で
自分に似合う車を探していました。
それから十数年後、長いことミニバンを運転していたが
ものは試しと輸入車ディーラーに行ってみた。
久しぶりに運転したら輸入車のよさ、わくわく感を思い出した
という人もたくさんいたそうです。
かっこいい車、楽しい車に乗りたい!
わくわく感について、もう少し述べてみます。数年前まで、環境負荷の少ない車を選ぶというのが
国内の暗黙の了解ともなっていました。
それは当然ではあるのですが、振り返ってみると「乗りたい車を買う」
というものではなかったかもしれません。
必要に迫られて車を買う、買うならエコなものにしようという感覚です。
ここにフォルクスワーゲンup!が登場します。
このup!は価格が149万円からと、国産軽自動車と並ぶ驚きの価格設定で
まず顧客の間口を広げました。
実際試乗したユーザーの批評によると、
「久しぶりにマニュアル車にのったようなわくわく感がある」
「シンプルなインテリアは日本車にはない魅力」
「運転して楽しい」
という声が多く聞かれました。
単なる移動手段だけではなく、車の運転は楽しい!という根本的な意識を
よみがえらせたという点で、up!の登場は大きな転換期となったようです。

クリーンエネルギーであることと、わくわく感との両立
輸入車が好調な背景には、燃費と価格サービス体制の充実(5年間のメンテナンスプログラムなど)が国産車並みに
なったこと、デザインのよさ、乗り心地のよさがあることはわかりました。
みんなと同じようなものを持っていて満足していたが
個性を出す喜びを久しぶりに味わったのでしょう。
2013年のカーオブザイヤー受賞が、フォルクスワーゲンのゴルフ
と発表されたことは記憶に新しいですね。
これは輸入車が市場に受け入れられたということでもあります。
ファミリーカーの充実や、ミニバンから小型車への買い替え需要が
今後ますます増えてくることを考えると、輸入車の好調は当分続くと思われます。